ホワイトニングには様々な種類が存在しており、それぞれの治療の流れや治療の仕組みについても非常に多様になっています。

ホワイトニングを始める際に、どのホワイトニングを選べばよいのか、またそのホワイトニング方法がどのような仕組みで治療を進めていくのかを正しく理解しておくことで、自分の症状に適したホワイトニング方法を選択していくことができるのではないでしょうか?

そこで今回はホワイトニングの治療の仕組みについて、いくつか例を挙げながらご紹介していけたらと思います。

ホワイトニングの仕組み①:歯医者、歯科医院の場合

歯医者でのオフィスホワイトニングに使われる薬剤は、濃度が30~35%の過酸化水素や過酸化尿素です。過酸化水素は、酸素系漂白剤の主成分としてよく知られており、過酸化尿素は使っている内に過酸化水素に分解されるので、基本的に同じものです。

過酸化水素は危ないの?

漂白剤を口に入れるのを不安に思うかもしれませんが、米国食品医薬品局(FDA)で安全性が認められており、発がん性がないことも報告されています。また、歯や歯茎へのダメージもありません。それどころか、過酸化尿素は歯茎を引き締める効果があり、歯肉炎の治療に用いられていた時期もあったほどです。

過酸化水素は歯を白く漂白してくれる!

歯に過酸化水素等が主成分の薬剤を塗布すると、表面に付いた着色物を漂白することができます。ただ、これだけではエナメル質の着色汚れを取るだけで、白い歯にすることはできません。それは、エナメル質の色は半透明であり、その下層にある象牙質は薄い黄色だからです。

ホワイトニングの仕組み②:歯はどうやって白くなるの?

白い歯に見せるには、象牙質の黄色を白いもので覆い隠す工夫が必要になります。歯の表面は少しガタガタしていますが、エナメル質が束になった角柱構造でできているためです。この角柱を角状から球状に変化させると、光の乱反射によって白く見せることが可能です。

歯のホワイトニングにはエナメル質が関係していた!

光には様々な色を持つ波長が含まれており、全色を吸収する素材は黒く見え、逆に全色を跳ね返す素材は白く見えます。この原理を応用したのが、歯のホワイトニングの仕組みです。過酸化水素等から発生した活性酸素によって、エナメル質を球状にすることができます。

歯のホワイトニングで歯が白くなるのではない!

ですから、歯のホワイトニングといっても、実際に歯が白くなっているわけではありません。
知覚過敏や歯に亀裂などがある人は、過酸化水素の刺激で痛みが生じる場合があります。その治療を行った後にホワイトニングを行うのが一般的ですが、人によっては断られるでしょう。

ホワイトニングの仕組み③過酸化水素を使用する場合

健康な歯茎や歯の人ならば、基本的に痛みは感じません。とはいっても、過酸化水素が水素とヒドロペルオキシドに分解されて、水素が歯の中に含まれる水分を取ってしまうと、歯自体に疼痛感を覚えることがあります。この痛みは分解作用が治まるとなくなるので、心配はいりません。

ホワイトニングにおけるエナメル質の役割とは?

本来エナメル質は、リンとカルシウムが溶け出す「脱灰」と、それらが再生する「再石灰化」が繰り返されています。したがって、エナメル質が再生することで、球状にした構造もやがて角状に戻ります。

歯の色は徐々に白さを失っていき、大体数ヶ月から1年で元の色に戻るのが一般的です。白さをキープしたい場合は、タッチアップという追加のホワイトニングを行う必要があります。オフィスホワイトニングのタッチアップは、3~10ヶ月に1回という頻度が目安です。

それから、ホワイトニング直後は再着色しやすい状態なので注意が必要です。通常、歯の表面は唾液に含まれるペリクルという有機皮膜で覆われています。ペリクルは虫歯菌や歯周病菌、汚れ等、様々な刺激から守ってくれます。しかし、ホワイトニング後はペリクルが剥がれた状態です。

ホワイトニングのために着色汚れを予防しよう!

再形成するまでのおよそ24時間は再着色しやすいため、コーヒーや醤油、チョコレートなどの濃い色の飲み物や食べ物を取ったり、タバコを吸ったりすることに注意しましょう。

さらに再形成後のペクリルも、着色しやすい状態が続きます。着色を防ぐために摂取する飲み物や食べ物に気をつけると共に、専用の歯磨き粉を用いて歯を磨くのも一定の効果が期待できます。

数ヶ月も経たない内にホワイトニング効果がなくなった場合は、エナメル質の再石灰化によるものではなく、着色汚れであることがほとんどです。ホワイトニング直後から再着色は始まっていますが、口に入れるものに注意することで、効果を少しでも長く持続させることは可能です。

ホワイトニングの仕組み④:ホワイトニングライトの場合

オフィスホワイトニングではまず、カウンセリングや口腔内確認を行い、場合によっては歯のクリーニングをします。そして開口器を付け、歯茎や唇を保護して歯にホワイトニング剤を塗ります。

ホワイトニングライトで薬剤効果を高める

その後、薬剤効果を高めるために歯にホワイトニングライトを照射する歯医者がほとんどです。薬剤塗布と光照射は数回行い、高い漂白効果を出します。歯医者によっては、施術後にフッ素を塗ります。最後は、アフターメンテナンスの説明を受けて終了です。施術にかかる時間は1~1時間半、歯の白さは2~8段階明るくなっている場合が多いです。

ホワイトニングライトは安全性が高い

ホワイトニングライトはledやハロゲンライトを用いた歯科機器で、有害な紫外線がカットされ、発熱も抑えられて開発されています。ですので、発がん性や歯髄への悪影響についての心配がほぼありません。以前までは、レーザーを照射する方法が主流だったものの、リーズナブルで安全性が高く扱いやすいledやハロゲンライトの機器が一般的になりつつあります。

ホワイトニングの仕組み⑤:セルフホワイトニングの場合

オフィスホワイトニングは歯科医がするので安心感は高いものの、自分で行うセルフホワイトニングも一般的になってきています

セルフホワイトニングには様々な種類がありますが、国内で広く知られているセルフホワイトニングが、歯医者で作ったマウスピースとジェルによる方法です。

これは濃度の低い過酸化酸素ジェルを用いるため、毎日数十分から数時間以上装着する必要があります。また、家庭用のledライトと併用すると、より漂白効果を高めることができるでしょう。

ホワイトニングの仕組み⑥:ledホワイトニングの場合

それから、日本で新しいセルフホワイトニングとなるのが、過酸化水素ではなく酸化チタンを用いた方法です。これはまだ広く浸透していないので、機器等を設置している歯医者で行うセルフホワイトニングとなります。

酸化チタンを用いた新たなホワイトニング

酸化チタンは工業用品から化粧品、食品までと幅広い分野で活用されている無機化合物で、高い安全性が認められています。これにledライトを当てると、光触媒作用が発生し汚れを分解することが可能、その他に期待できるのは、抗菌・殺菌、消臭、コーティング効果です。

市販品を購入して行うセルフホワイトニングは、マニキュアや消しゴム、ホワイトニングテープなどが挙げられます。マニキュアは白く見せるために塗るもので、歯医者でも行っているところがあります。原料は、口に入れても問題ない天然樹脂成分等で、白く見える効果は一日だけのことがほとんどです。

そして、消しゴムは研磨剤が含まれたシリコン素材でできている製品が多く、着色汚れを削ってきれいにするものです。ステインは落とせますが、歯が傷つくことを考慮しなければいけません。マニキュアも消しゴムも、歯自体を白くすることは難しいでしょう。

ホワイトニングの仕組み⑦:クレストの場合

ホワイトニングテープでは、アメリカで1955年にP&Gから誕生したオーラルケアブランドのクレストが有名です。

クレスト3Dホワイトストリップスのプロフェッショナルエフェクトは、過酸化水素が10%と高い濃度がテープに含まれています。

使い方は歯に沿わせて貼り、30分ほど置いて歯磨きするだけです。テープの内容量は20日分、毎日続けることで白い歯にすることが期待できます。

日本では過酸化水素の濃度が高いために未認可となっていますが、自国では広く浸透している製品で歯医者で用いられる濃度の3分の1と考えると、心配はいらないのではないでしょうか。なお、日本では通販購入が可能です。

セルフホワイトニングは、オフィスホワイトニングと併用するデュアルホワイトニングという方法も提案されています。セルフホワイトニングだけでは不安な人や、持続的な効果を求める場合は利用するといいかもしれません。